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本ブログ紹介【WISH Marriage Story】について2009.09.01 Tuesday
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「WISH Marriage Story〜結婚物語〜」
とは、マリッジクラブ・ウィッシュ横浜に入会して
実際にご結婚された方に、プロのライターが直接取材をし、
そのご成婚までの道のりを小説化したものです。
「結婚相談所での活動って、どんなものなんだろう」
「本当に、幸せな結婚ができるの?」
といった、入会前のお悩み・不安に対し、入会後の活動
を少しでもご理解いただきたいという思いから、制作を
始めました。
ウィッシュ横浜の実会員様で、もちろん実在するお話のため、
プライバシー保護の観点から、小説の中での登場人物は
すべて仮名となっております。ご了承ください。
本ブログを作成するにあたり、無理なお願いにも関わらず
ご快諾いただきました会員の皆様、そしてライターの安田さん
には、心より御礼申し上げます。
本当に、ありがとうございます。
ウィッシュ横浜 スタッフ 一同
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運命のひと vol.12009.09.04 Friday
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もう秋が終わりを告げようとしている。
街路樹の葉があと数枚で衣替えされるのだと、ミワは早足で歩きながら確認した。
確かに頬を打つ風は、しんしんと冷たい。
ただ、ミワの額はすこし汗ばんでいた。
それは、あきらめよりも、なぜか高まる期待のほうが大きいからかもしれない。
今から、覚悟を決めて会う男性がいる。
もう、これで最後だという覚悟。トキメキよりも緊張というべき胸の高鳴り。こんな気持ちは、会社の最終面接以来だと、ミワは思った・・・。
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運命のひと vol.22009.09.04 Friday
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あるとき、鏡に写った顔を見てドンと重い衝撃を受けた。
食事が喉を通らない生活を続けていたせいでやせ細った頬、スキンケアにまで手を抜いていたからか、頬や口の周りが乾燥してくすんでいる。
瞳には潤いもなく、30代に足を踏み入れる前の女性特有の華やかさが微塵も感じられない。
こんな毎日を送っていたらどんどんダメになる。このまま腐っていくだけ。
ミワは鳥肌が立って身震いした。
自分ひとりを幸せにできなかったら、他人と幸せになることなんてできない。
「まずは自分を磨きなおそう!」
思い立ったら即行動がミワの長所だ。
早速ヘアサロンに行き・・・
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運命のひと vol.32009.09.06 Sunday
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最近、テレビや雑誌、女子が集まる場ではどこでも耳にする「婚活」という言葉。
世間でいえば、これから結婚相手を探そうとしているミワもその活動の中の一部になるのだろう。
でも、コンカツ、と略すと軽い感じがして、なんだか抵抗がある。
ミワの考える結婚相手とは、ただ付き合った延長上で結婚をして、生活を共にするだけのパートナーではなく、60歳、70歳になっても自分が輝いていられる相手。
そして、それは、高揚するような気持ちや、切ない思いを楽しむための恋である必要はない。
恋愛という遠回りをするのは、今のミワにとって時間のムダな気がした。
今から付き合って、
「この人は私との結婚を考えているの?」
と、ビクビクしながらデートのたびに顔色をうかがうのはうんざりだ。
それなら、「結婚相手を見つける」という目的を見つける最短手段を探すべきではないか。
それは、将来の安定を約束してくれる資格取得のための、スクールと似ているかもしれない。
ミワは一番に思い立ったのが・・・
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運命のひと vol.42009.09.09 Wednesday
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まず初めに、自分の基本情報や趣味、特技、そして理想のタイプや求める条件を
プロフィール用紙に書き出した。
育った環境が似ている、30〜35歳、女性の仕事の大変さを理解してくれる人…
実際書いてみると結婚相手への希望だけでなく、
自分の理想の生き方に対するビジョンが明確に見えてくる。
プロフィールを作成し、ついに男性へ公開される。
そして、ミワもドキドキしながら男性のプロフィールを見てみる。
すると、思いのほか、いい意味で「普通」の人が多い。
そして、なぜこの人が結婚していないの?というような顔もハンサムで年収も良くて、
スポーツや音楽鑑賞が趣味な男性もいるのに驚く。
この中に、ミワが一瞬パソコンのマウスを止めて見入ってしまう男性がいた。
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運命のひと vol.52009.09.11 Friday
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今、その人を前にして座っている。
いわば、「憧れ」に近い相手が、目の前にいるのだ。
そして、そこには明らかに何年かぶりの“ときめき”が存在している。
気分が高揚し、胸の高まりをごまかすために、水をひと口飲んだ。
それも、“ゴクン”という音が聞こえないように気を付けて。
「ケーキでも食べませんか? 」 彼がメニューをさし出した。
「あ…、はい。食べます。」
今までで、ケーキを薦めてくれた人がいなかったから、少し驚く。
このひと言で、ミワの緊張がスルスルとほぐれていった。
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運命のひと vol.62009.09.16 Wednesday
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ホテルを出ると、空は真っ暗になり、渋谷の飲食店のネオンが輝いている。
名古屋に住んでいる彼が、東京に出張に来たときに行くという、
路地裏の和食料理屋に入ることになった。
「一見地味だけど、味は美味いんです。」
こぢんまりとした店内は、会社帰りのサラリーマンとカップルが二組。
木のぬくもりがあたたかい、純和風の空間だ。
気を使わずにくつろげる雰囲気に、彼の気遣いを感じる。
ふたりは、カウンターに座った。
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運命のひと vol.72009.09.20 Sunday
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それから毎日、夜は電話でお互いのことを話す。
その時、ふたりは何度も「ありがとう」と言い合った。
出会えたことに感謝するという意味で・・。
彼は名古屋に住んでいるので、遠距離になるのは覚悟していた。
でも、彼がふたたび横浜に来たのは、初デートから一週間後。
「どうしても、1時間だけでもいい。」
と、仕事が終わってから新幹線で逢いにきて、食事をしてそのまま名古屋へ戻った。
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運命のひと vol.8~最終回~2009.10.02 Friday
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出会って1カ月が過ぎ、すぐに新年を迎えることになった。
4回目のデートは、初詣。
ミワは、荘厳な気持ちで着物を着て出かけた。
帯を締めると気持ちがしゃんと引き締まる。
だから、ミワは特別なときは着物を着る。
二人でとりでをくぐって数メートル歩いたとき、彼が突然立ち止まり、
ロイヤルブルーの箱をミワに渡した。
「何??・・これ・・・」
「開けて見て」
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メールを待ち続けて vol.12009.11.30 Monday
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「なんだ、駄作じゃない。」
映画館を出て、私は思わず声に出してつぶやいた。
ロードショーなのにこれか。期待していた分だけ、時間とチケット代をソンした気分になる。
話題になっていない単館映画に限って、じつは心を震わせるものだったりする。
今回の映画は、一ヶ月前に失恋したばかりの私に同僚の加奈子がすすめてくれたものだ。
『偶然の恋人たち』
というタイトルのハリウッド映画で、その名の通り偶然の出会いの短編ストーリーで四作品、計二時間三十分だ。
せめて二時間にしてほしかった・・・・
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