次の週は、品川で映画デートをすることになった。
あの日から、仕事中も眠る前も彼のことを思い出して、会うのを心待ちにしている。
新しいちょっと丈が短めのワンピースを買い、
それに合わせて脚がキレイに見える高めのヒール靴も買った。
駅前の待ち合わせをして、映画館へ向かう。
日曜の品川は思いのほか人が多く雑然としている。
あぁ・・・。
人ごみってホントにイヤ。
しかもこの人、私の前をスタスタ歩いて行ってしまうじゃない。
急いで早足にするけれど、初めて履くヒールのかかとが痛くて、間に合わない。
「大丈夫?」
途中で来ないことに気づいたのか、後ろを振り返った。
それなら、最初からゆっくり歩いてくれればいいのに。
けっこう気が利かない人なのかも。
さすがに不機嫌になって黙ってしまう。
三谷幸喜の映画はやっぱり面白い。
おかげで、さっきのブルーな気分をクリアにすることができた。
映画館を出て、近くの洋食屋に入り、オムライスとポークカツレツを注文する。
話をするとやっぱり合うし、楽しくて安心する。
「大学生の時、宿題ってちゃんとやってた?」
「僕は全然やってなかった。バイトしてるほうが有意義じゃん。」
「え、私はちゃんとやってたよ。」
そんなたわいもない会話がはずむって、貴重だ。
「もうこんな時間だ。そろそろ帰りましょうか。」
話している途中で、彼が急に時計を見てつぶやいた。
(そんな唐突に・・・。この人、空気を読めないんじゃないか。それとも慣れていないの?)
しかも携帯の時刻をみると、まだ二十一時だ。
また、帰りは不機嫌になっている自分に気づく。
せっかく買ったこの靴も、足に合わないからイラッとしているのかも。
自分に言い訳をしながらつま先に重心をかけて歩いた。
【season2 メールを待ち続けて】 ~Vol.11に続く~^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
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