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運命のひと vol.42009.09.09 Wednesday
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まず初めに、自分の基本情報や趣味、特技、そして理想のタイプや求める条件を
プロフィール用紙に書き出した。
育った環境が似ている、30〜35歳、女性の仕事の大変さを理解してくれる人…
実際書いてみると結婚相手への希望だけでなく、
自分の理想の生き方に対するビジョンが明確に見えてくる。
プロフィールを作成し、ついに男性へ公開される。
そして、ミワもドキドキしながら男性のプロフィールを見てみる。
すると、思いのほか、いい意味で「普通」の人が多い。
そして、なぜこの人が結婚していないの?というような顔もハンサムで年収も良くて、
スポーツや音楽鑑賞が趣味な男性もいるのに驚く。
この中に、ミワが一瞬パソコンのマウスを止めて見入ってしまう男性がいた。顔もタイプだし、何よりも趣味が驚くほど似ている。
旅行、水泳、ピアノ、料理…。
まるで、写したかのように、ミワも趣味の欄にそう書いてある。
そして、年収までいい。
ただ、こういう男性だったらみんなが狙っているだろう。
最初からハードルを上げるようなことはよくない。
とりあえず、この男性はスルーすることにした。
1週間がたち、まだギリギリ20代という強みのあるミワには、お見合いの申込みが殺到した。
その中から会ってみたい人をピックアップする。
担当カウンセラーにお互いの日程を調節してもらい、近くのホテルのラウンジで待ち合わせをした。
35歳、サラリーマン。年収600万。趣味は美術館巡りでアウトドア好き。
サッカーを20年間やっているというだけあって、体格も良く清潔感があり、スーツの趣味も悪くない。
実際、現れた男性は絵にかいたような好青年だ。営業職だからか、話しも上手いし、頃合いを見てミワのカップに紅茶を注ぎ足してくれるなど、気づかいもできる。
1時間ほど話し、また次回会いましょう、ということになった。
次の日に、カウンセラーから先方が気に入っていると連絡が入った。
でも、何かが違う。とってもいい人だけど、しっくりこない。
それを伝えると、「では、他の方に会ってみましょうか」と快く対応してくれたことに、ミワはホッとした。
何が違うのか考えると、それは「ときめき」という名の感情だ。
結婚は恋愛とは違う。それはミワの持論だ。
ただ、ある程度のときめきは欲しい。それは、ワガママだろうか。
それから、4カ月の間に会ったのは10人。
それでも、なかなか心が揺れ動く人とは巡り合えない。
もうダメなのかな・・・、やっぱり妥協が必要なのかも・・・。
心が急に不安になる。
そういえば、最近は周りで結婚する友達が多いし、テレビで結婚会見を見ているだけで、悲しい気分になってしまう。
「やっぱり、運命の人っていないんですかね。」
ミワは、正直に思っていることをカウンセラーに伝えた。
「ミワさん。」
カウンセラーが、いつもよりも強い口調になる。
「最後の正直だと思って、今月中になんとかしましょう。全神経を集中して、今こそひとりひとりをしっかり見つめて。」
そうだ。もう、これで最後にしよう。
それでダメだったら退会する。
ミワは、そう決心して最後に会う人を決めることにした。
そう思ったら、イチかバチかでムリだと思っていた人にチャレンジしてもいいじゃない、と気が大きくなる。
ミワは、パソコン画面を指差した。
「この方に、お申し込みをお願いします。」
それは、かつて、最初にミワが男性のプロフィールを見たときに一番ピンときて、でも「自分じゃムリ」だとあきらめてスルーした相手だった。
〜運命のひと vol.5に続く〜
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