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安らぎという幸福 Vol.12010.12.10 Friday
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雨音がだんだん強くなってきた。
カフェの窓の外を見ると、勢いよく流れ落ちる水滴を通して、
傘を持ち早足で歩く人たちがぼんやりと見える。
今年の梅雨は、例年よりも雨量が多い。
誰もがうっとうしそうな顔をしているけれど、実はレミは雨がそんなに嫌いじゃない。
確かに水は跳ねるし、髪のまとまりは悪いし不便ではあるが、そんなことどうでもよくなるほど雨音が好きなのだ。
ザーザーと、とめどもなく流れるBGMを聞いていると、心が洗われていくようで気分がスッとする。
このまま、ずっと何か月も梅雨が続いてくれてもいいのにな、とレミは思った。
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安らぎという幸福 Vol.22010.12.19 Sunday
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お見合いをしようと決意したのは、それから数日後だった。
突発的に、と言うわけではない。
以前、付き合っていた彼とうまくいかなくなったときから考えてはいたのだ。
三十三歳という年齢を考えても
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