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安らぎという幸福Vol.42011.02.07 Monday
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場所は、修学旅行に行って以来お気に入りの京都に決めた。レミはひとり旅が好きで、迷うことがあったり落ち込んだときは、大きなリュックを背負ってふらっと旅に出る。初めて見る風景、その土地の匂い、新しい出会い。非日常の空間に溶け込むことで、普段の悩みやイライラから解放された。自分を客観的に見るためにも、旅はレミの人生にとって欠かせないひとつだ。恋人はいなくても、心が安らかでいられる。そんな自分が誇らしくなった。
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安らぎという幸福 Vol.52011.02.27 Sunday
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午後三時。銀座のカフェでレミの前に現れた男性は、優しそうだけれど特に特徴のない風貌だ。あえて、しゃべらない人、という条件で半沢さんが選んだというだけあって、確かに無口だ。コーヒーをひと口のんで、あたりをくるっと見回し、また一口飲んで、黙っている。仕方なくレミから話しかけた。
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