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安らぎという幸福 Vol.12~最終回~2011.06.01 Wednesday
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“家にいて、言うチャンスなんてあるのかな”
一瞬、不安がよぎったが、それは彼を信じることに決めた。
7階建てのこぢんまりとしたマンションの5階の角部屋に、彼は住んでいた。
今まで2回、家には遊びに行っていたが、近くのスーパーに食材を買いに行き、料理を作って、もちろん何事もなくバイバイしていた。
その部屋は、よく片付けられていて清潔だ。
物も少なく、インテリアは素朴だけれど、くつろげる雰囲気は彼そのものだった。
さっそく手土産で買ってきたマロンケーキを出し、彼が入れたコーヒーで、向かい合わせに座り、たわいもない話をしていた。
その時は、思いのほか、早く来た。
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